敬称略、肩書きは掲載当時のものです。
令和6年11月発行:第135号
弘法大師の入定留身に本源から迫る
人は死なない事例や固有の来世観で
添田隆昭(高野山大学学長)
物心ついた頃には入定留身の話が耳に入って来て、何でお大師様は今も生きておられると言えるのかという疑問は最初からありました。入定留身を大師信仰の基盤とする私たちの立場からすれば、死が終わりでなく、人は肉体が滅んでも死ぬことはなく、死後にどう生きているのかを証明していくことが最も重要で、書籍の執筆にあたり、その証拠となりそうな事例を幅広く集めました。
現代は、むしろ日本人が古来から持って来たメンタリティ、来世観が蘇ってくる時代です。亡くなった人たちはどこにも行かないし、無に帰すこともなく、私たちが暮らすこの空間に一緒にいます。そうした人は死ぬことがなく、死んだ後もこの同じ空間を共有するという来世観が今後はさらに見直されていくと思います。この延長線上に、弘法大師は死んでいない今も高野山の岩陰にいらっしゃるという入定留身がリアリティを持つのです。
一面を飾った方々。
敬称略、肩書きは掲載当時のものです。
-
第135号
添田隆昭
(高野山大学学長)弘法大師の入定留身に本源から迫る
-
第134号
上杉彰紀
(鶴見大学准教授)インダス文明を〝モノ〟から読み解く
-
第133号
河野良文
(大安寺貫首)インドの祇園精舎を模した大伽藍をCGに
-
第132号
田島和雄
(洗心福祉会美杉クリニック院長)限界集落の医師となり八キロの山道を速歩で通勤
-
第131号
山口博永
(不老山能忍寺住職)ヴィヴェーカーナンダに歓喜で巡り会う
-
第130号
小松美羽
(現代アーティスト)東寺の大法会で開眼されたネクストマンダラ
-
第129号
パロミタ友美
(バウル行者)現代バウルを代表するパルバティに弟子入り
-
第128号
外川昌彦
(東京外国語大学教授)日印交流の種まいた岡倉天心からひも解く
-
第127号
河野亮仙
(天台宗延命寺住職)日常行としての梵字の普及を目指す
-
第126号
飛鷹全隆
(真言宗長者)東寺長者の御修法〝大阿〟は53年ぶり
-
第125号
ニディーシュ・カリンビル
(カラリパヤットゥ・グルッカル(師範))インド武術“カラリ”に捧げた人生・・・第二章を日本で
-
第124号
北西剛
(日本アーユルヴェーダ学会理事長)伝統医学の健康観で積極的な予防・養生を
-
第123号
張本研吾
(イタリア・ナポリ東洋大学研究員)ヨーガとヨーガ学派の違いに着目
-
第122号
柴田文啓
(臨済宗妙心寺派開眼寺住職)定年後、第二の人生は禅僧として生きる
-
第121号
釋満潤
(日本佛光山総住職)生きがい求めて星雲大師の人間仏教と出合う
-
第120号
ハナムラチカヒロ
(大阪府立大学准教授)風景“異化”でモノの見方が変われば世界は変わる
-
第119号
加納和雄
(駒澤大学准教授)中世南インドの料理書『料理の鏡』『心の喜び』を研究
-
第118号
浅見千鶴子
(NPO法人日本カラリパヤットゥ協会)強くしなやかな体に変わる奥深い健康法
-
第117号
林久義
(ウッディヤーナ山タルタン寺山主)師の教え「ダルマを形に顕す」に邁進
-
第116号
伊藤佳代
(台湾・国立中山大学西湾学院助理教授)台湾留学が宗教音楽の黎明期と巡り合わせ歌手に