ヨーガ禅は人間の本当の幸せをカラダを通して教えてくれる「道」

故・佐保田鶴治博士が「ヨーガ」を敢えて「ヨーガ禅」と名付け提唱したのは、「ヨーガ即ちインド式体操・美容術」という誤解を正し、ヨーガ本来の正しい姿を標榜するためでした。
「ヨーガ」によって病状が回復する、姿を美しくするといったことは、「ヨーガ」のほんの一部分の効用であり、「ヨーガ」は、本来、人が一生幸福であるための「道」であります。
そしてそれを実現するための手段として体位法(体操)、呼吸法、瞑想法という三部門が総合的・相互浸透的な結合の上に成り立っており、この3つのうちのどれ1つが欠けてもヨーガではなくなってしまいます。
「体位法(体操)」ではカラダをどう操作するかという操作方法が重要です。出来る限りゆっくり動作と呼吸を連動させ、常に意識をカラダの一部及び全体に向けること。そしてカラダを緊張させた後には必ず弛緩し、リラックスすることを重視します。
この体操を正しく行っていくことで次第にカラダが調い、イキが調い、ココロが調っていきます。
正しい体操には「呼吸法」と「瞑想法」が自然な流れで付随し実践されるのです。
こうしてカラダだけではなくココロの調練が出来た時、揺るぎない完璧な健康が確立されます。
さらには自分だけではなく、隣人を慈しむココロが育まれ、エゴを振り回したり人に迷惑をかけるようなワガママ勝手な自我が消えていくのを実感出来るはずです。
「ヨーガ」は毎日続けることが大切です。少しずつでも毎日続けていけば、人間の本当の幸せとは何かをカラダを通して教えてくれます。
そして、自他を慈しみ、人生の荒波を乗り越えるのに充分な不動の信念・力を与えてくれるものであり、同時に心の平安・静澄を与えてくれる大いなる「道」なのです。

健康

健康であるということは、単に「病気ではない」というだけのものではありません。
カラダとココロが健全で、なお且つ、社会に順応していること、これが健康であるということなのです。カラダに元気がなくなるとココロも暗くなり、ココロが暗くなるとカラダに元気が失われてしまいます。病気をはねのける精気あふれたココロとカラダの一致こそが真の健康であるといえます。 ヨーガは、ココロとカラダを大きな視点からとらえるものです。真の健康を手に入れられるだけではなく、最終的にはココロの幸福さえ得ることができるものなのです。
そのためには、実際に自分で行い、それを毎日実践することが大切です。たとえ少しの時間でも毎日続けていきますと、真の健康が確立されていきます。
先ずは体操から始めましょう。

ココロが変わる

ヨーガを正しく行っていきますと、日常生活にヨーガが生きてきます。まず姿勢がよくなり、血色も良く、動作もなめらかになり、全身の健康が確立されてきます。そしてカラダだけではなくココロも柔軟になり、人と衝突しそうになっても自然にスーッと避けられるようになり、他人に不愉快な感じを与えません。本人ばかりでなく、周囲の人も、みんな気持ちがよくなります。 一時的にカラダが健康になったとしても、ココロが変わらず、腹を立てたり、人を憎んだり、イライラしたりすると、また病気を引き起こすことになります。 ヨーガはココロとカラダの一致を実現し、真の健康・ココロの幸福を得ることが出来るものです。 ヨーガの体操はたとえ簡単なものでも毎日続けていると、ココロがだんだん安定し、明るく、穏やかに、豊かになっていきます。 先ずは体操から始めましょう。

ヨーガはライフスタイル

正しいヨーガを続けていますとカラダが健康になり、だんだんココロも変わっていきます。 感情の起伏が少なくなり、ココロの動きが穏やかな波を描くようになり、非常に安定します。さらに毎日ヨーガを続けていきますと宗教性が芽生え、人を憎む、怒るといった感情がココロの中からだんだん消えていき、喜びがあふれてきます。喜びは人に対する好意、愛といったものとなり、自分にとって良い結果をもたらすだけではなく、周囲にも幸福をもたらします。 体操や呼吸法という誰もが出来る方法を続けることによって、自分はもちろんのこと周囲の人々の幸福をも得ることが出来るのがヨーガの特質であり、健康法の枠を超え、「生活様式」とまでいわれる所以です。 体操をするだけではなく、その人の日常生活が全部ヨーガになることが「本当のヨーガ」といえるものです。ヨーガは本来、その人のライフス夕イルであり、その人の生き様なのです。 体操は非常に大切ですが体操だけでは「本当のヨーガ」にはなりません。体操はヨーガというライフスタイルの根ですから大切にしないといけませんが、枝、花に当たるその人の生き様、いわゆる精神性、宗教性も重要な部分となることを忘れてはならないでしょう。

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