敬称略、肩書きは掲載当時のものです。
令和6年9月発行:第134号
インダス文明を〝モノ〟から読み解く
多様性と統一性が文明のダイナミズムに
上杉彰紀(鶴見大学准教授)
学生時代に祇園精舎・舎衛城などのインド仏教遺跡の発掘調査に参加したことに端を発し、インドやパキスタン、バハレーンなど広く点在する都市遺跡を踏査してきました。私自身がインダス文明の研究で大事にしているのは、出土した遺物が1つの遺跡の中でどう見えるか、あるいは1つの地域の中でどう見えるか、さらに文明社会全体で見たときにどう見えるかという3つの異なる空間スケールで常に問い直していくことです。これらの3つの事象が相互に関係し合ってインダス文明という1つの歴史的事象が生み出されたという視点で、遺跡で出土した遺構や遺物を記録するようにしています。約20年間にわたり、現地に張り付きながら1次資料の研究を積み上げ、整理・分析などを行なってきた研究成果をもとに2022~23年に2冊の書籍を出版しました。今後はもう少し新しい時代についての執筆や、若手研究者を育てるための研究環境の改善にも取り組もうと思っています。
一面を飾った方々。
敬称略、肩書きは掲載当時のものです。
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第100号
前田專學
(公益財団法人 中村元東方研究所理事長)インドに根ざすバニヤン大樹のごとく
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第99号
静慈圓
(高野山 第五百十九世寺務検校執行法印)空海と高野山の縁により唐密復興を後押し
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第98号
老松克博
(大阪大学教授)無意識が関与する心の免疫システム
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第97号
宮本祖豊
(比叡山十二年籠山行 満行者)比叡山で最も厳しい十二年籠山行とは
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第96号
山下良道
(鎌倉一法庵 住職)根源意識からの気づきがマインドフルネス
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第95号
崎浜キヌ
((株)ケイショウカイ 栄養クリニック主催)食物は私たちの命そのもの
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第94号
大保木輝雄
(埼玉大学名誉教授)斬るべき相手は自分の邪心
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第93号
添田清美
(高野山 蓮華定院前住職 夫人)97歳の今も現役-高野山・宿坊の“親奥さん”
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第92号
高橋徳
(総合医療「クリニック徳」院長)米国の大学で研究し鍼のストレス緩和効果を解明
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第91号
アナ・マリア・クリスティーナ
(アートセラピスト)アートヒーリングには内観のプロセスが大事
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第90号
小川康
(チベット医)チベット医学のあり方そのものが仏教的
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第89号
西平直
(京都大学教授)用心を怠らず用心に囚われない世阿弥の稽古論
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第88号
クリシュナ U.K.
(日本アーユルヴェーダ・スクール・校長)アーユルヴェーダは生きることの知恵・学問
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第87号
平岡宏一
(清風中学校・高等学校校長)仏の身体を得るグヒヤサマージュの行を毎日続けて
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第86号
藤田一照
(曹洞宗国際センター所長)シャヴァーサナは完全なる明け渡し
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第85号
プラユキ・ナラテボー
(タイ・スカトー寺住職)手動瞑想・・・「今ここ」をリアルに気付く工夫
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第84号
有田秀穂
(東邦大学名誉教授)爽快な元気を心身に与える脳内物質セロトニン
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第83号
櫛谷宗則
(禅僧)手放し百千万発の一生が悟り
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第82号
小田まゆみ
(アーティスト)現代に目覚めた「女神」
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第81号
上原巌
(東京農業大学教授)心身を健やかに導く「森林療法」