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たいまつ通信

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敬称略、肩書きは掲載当時のものです。

櫛谷宗則

平成28年1月発行:第83号

手放し百千万発の一生が悟り

すべてであって何ものでもない自己

櫛谷宗則(禅僧)

生きていれば悲しみや苦しみにぶつかるのは当然です。そのとき、思いだけでは行き詰まってしまいます。苦しみは簡単には片付けられない、でも何か深い授かりとしてまぎれもない私のいのちなんです。迷いながらさらさらと、がねらいですね。手放せないまま、手放している。悲しみ嘆きをこえたものに通じている。一発ドカンと悟って、あとは悟りの境涯にいるのではなく、私はどこまでも凡夫です。転びながら迷いながら、手放し百千万発という姿勢で生きる。その一生が悟りではないでしょうか。我々の一生そのものが一炷の坐禅です。

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