武田道生(宗教学者)
今では葬儀が「お別れの儀式」即ち「生が終わった儀式」になり、多くの日本人は「死んだら終わり、死は敗北」という死生観を持っています。仏教を含め民俗宗教の世界でも、生と死は不可分の関係にあるはずなのに、生だけが重要だと言っている今、「人は存在としては死なない。生きる目的である菩薩行は、生きている間も死後も継続して行うものである」という大乗仏教本来の教えに立ち返るべきだと思います。「死は終わりではなく、新しい生の始まり」なのです。