杉谷義純(寛永寺両大師堂輪番)
諸法実相は「世の中のすべての現象は真実をあらわしている」という意味です。きれいなものも汚いものも、嬉しいことも悲しいことも、それは真実の姿をあらわしているんです。自分がきれいと感じるか汚いと感じるかは心の問題です。自分の心が偏っていると、真実のものを真実と感じられませんね。だから、心が歪んだり、絶望に陥ったりするんです。真実を素直に受け入れる、これを中道と言い、中道の心でこの世を見ると意味のないものは存在しない、というのが諸法実相です。